「散策家と歩く水路跡in足立」 レポート3

レポート2の続きです。

※2015年10月10日実施。写真は下見の時のものです。


▲緑道化されている神領堀跡に出て、橋の欄干がそのまま残る定使橋(じょうつかいはし)へ。このほかに江北図書館前にモニュメント的に神領橋がある。図書館のところで少し休憩とした。


▲大日精化工業と氷川神社・不動院の間にある蓋暗渠。足立区は開渠どころか蓋がけ暗渠すら希少になりつつある。


▲工場内に入る部分はわずかながら開渠となっている。これだけ歩いて、今日初めて見る水面だ。


▲氷川神社内に合祀されている煉瓦造りのお社。近隣に煉瓦工場があった?


▲こちらは今回のコースからは少し外れているが、氷川神社より西にある煉瓦のお社。神社の蔵などの建物が煉瓦という例はたまにあるが、これは珍しいのではないだろうか。


▲今回の最大の見どころとも言える、発掘整備された神領堀の熊ノ木圦。これも見事な煉瓦物件である。この前後は小公園として整えられている。


▲そこから細い暗渠小径を抜けたりして、都道106号鳩ヶ谷街道を渡る。江北南部(扇方面)にも良い水路跡があるが、今回はこれ以上南へは行かない。


▲街道を渡った先に続くこの水路跡はなかなか余所者には入りづらい。生活道路としては機能しているが、完全な行き止まりなのだ。


▲見ての通り、生活と密着したかなりスリリングな暗渠と言える。暗渠は生活の裏側にあることが多いのだが、ここは表側とも接しているのだ。


▲ここで行き止まり。無意味なガードレールと反射板、ここだけ高いブロック塀に柵。苔むしたアパート側はロープで区切られて出入りできなくしてある。やはり通り抜けようという人がいるのだろう。それにしてもバッサリ切れている(先の部分は払い下げした土地だとは思うが)。


▲レトロな風景が残る江北仲通り商店街、この歩道も水路跡だ。
※当日資料お持ちの方、商店会名を訂正しておいてください。



▲こうした幅の変化に気づくのも暗渠散策の基本となる。ここでは歩道が折れて水路跡が続く。


▲そのあとも物干しがあったりして、暗渠らしい風景。
この先は近年道路整備があり少し改良された。ここから北の上沼田方面では区画整理が進み、以前の流路を失った水路跡が多い。上沼田中学校の校舎の向きなど、モロに水路跡の影響が出ているのだが。


▲上沼田第六公園の奥を抜けるこの道(江北緑道)が続きの暗渠。光浴場の煙突が目立つ。水路跡といえば銭湯。なお緑道は団地の工事のためこの先は追うことができなくなっている。



▲江北東商店会。ここはおそらく水路跡を含んではいないが、市場型店舗建物が3つ残っている貴重な場所。商店街観察家としてはいちおう紹介しておきたい。


▲中村マーケットは(この写真では閉まっているが)当日唯一営業していた。足立区と練馬区は現在も私設小売市場の建物が比較的残っているが、これらも時間の問題だろう。


▲この暗渠もなかなかの生活感(当日はカットしたように思うが)。


▲日暮里舎人ライナー高野駅裏の蓮田。このあたりは数カ所に蓮田が確認できる。ここは道路ギリギリまで水がきており、思わず足を止める人も多い。



▲蓮田の横から入れる水路跡の小径(高野駅側の通りからでも入れる)。細かなうねり。こうしたものをなかなかまっすぐにしない・できないのも日本の土地の仕組みの特徴と言えるだろう。


▲この水路跡はこの先までしか行けない行き止まり(・・・だと思う。個人宅内に突っ込む感じ。公共用地のままかもしれないが)。間もなくゴール。日も暮れてきた。


▲不鮮明で申し訳ないが、暗渠横の茂みにあるお社(当日撮影)。地図にも載っておらず、どのような由来のものか、ネットではほとんど情報がない。ここを今回の終点としたい。

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ということでかなり長いコースになってしまいましたが、無事歩き切ることができました。個人的に「暗渠・水路跡が好きならぜひ歩いてみてほしい」と思っている見どころを厳選したつもりです。最初にも書いたとおり、ひとつの流れを研究して追いかけることよりも、痕跡・風景・雰囲気を楽しみ、また土地境界を観察することに重点を置きました。自由な散策の中での暗渠探検はこんなふうがいちばん良いと思うのです。

あまり人は集まりませんでしたが、他の暗渠イベントに負けないよう中身をさらに整え、できればまたしつこく水路跡を歩くシリーズを開催していきたいと思いますので、応援のほどよろしくお願いいたします。





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